うちら、みんなつながっ展(あまちゃ工房の原点プロジェクト)

被災地支援を“つながり”として伝える展示に
東日本大震災の被災地で生まれた手づくり小物と、その背景にある女性たちの活動を紹介する巡回展示企画「兵庫と東北つながっ展」。
阪神・淡路大震災を経験した兵庫と、東日本大震災の被災地・東北を、“女性たちの手仕事”を通してゆるやかにつなぐ展示として、2013年に企画・運営・展示構成・イラスト・パネル制作を担当しました。
この展示で特に光を当てたのは、「中高年女性」の存在です。
被災地支援では、母親支援や就労支援には比較的注目が集まりやすい一方で、パートの中高年女性や一人暮らしの高齢女性などは支援からこぼれやすく、金銭的にも気持ちの面でも孤立しやすい現実があります。
そこで展示では、被災地の中高年女性たちが手仕事を通して、
- 仲間をつくり
- 生きがいを持ち
- 役割を取り戻し
- 社会とつながっていく姿
に焦点を当てました。
また、展示で伝えたかったのは、「支援する/される」という一方向の関係ではありません。
小物が生まれる背景には、
- 材料を送る人
- 作る人
- アドバイスする人
- 仲介する人
- 販売を支える人
- 買う人
- PRする人
など、多くの人たちの小さな行動と関係性があります。
そこで展示では、手づくり品そのものだけでなく、「人と人が支え合う循環」を図解やパネルで可視化。“支援”を上下関係ではなく、「誰もが参加できるつながり」として伝える構成を設計しました。
公共施設での展示だったため会場で販売は行えませんでしたが、作り手の連絡先を掲示したり、女性団体が販売を仲介したりすることで、展示をきっかけに支援の輪が広がっていきました。
さらに、この展示を兵庫県立男女共同参画センターだけでなく、県内各地のセンターでも開催してもらえるよう、
- 段ボール1箱に収まるサイズ設計
- 展示マニュアル作成
- チラシデータ提供
- 展示規模を自由に調整できる構成
など、「運営側の負担を減らす設計」を行いました。
その結果、慢性的に展示企画不足に悩んでいた男女共同参画センターから「開催しやすい」と好評を得て、兵庫県内各地だけでなく、横浜や東北地域にも巡回。
また、展示が東北で開催されることになった際には、被災地へ気持ちを届けたいという思いから、絵本『兵庫と東北つながってん』も制作しました。
一連の取り組みや絵本は、新聞・ラジオなど各種メディアでも紹介されました。
震災から時間が経つほど、被災地は人々の記憶から遠ざかっていきます。
だからこそ、「ウチら忘れへんで!」という気持ちを、重すぎず、押しつけず、人が自然に参加できる形で届けたいと思っています。
あまちゃ工房が大切にする思いが詰まったプロジェクト
このプロジェクトには、現在のあまちゃ工房につながる、
- 社会課題をやさしく伝える
- 不安を煽らない
- 誰かを悪者にしない
- 当事者を傷つけない
- 参加しやすい形へ整える
- 人と人をつなぐ
という思想の原点が詰まっています。








