爺様侍の恋

| 0件のコメント

つ、ついに小藤次とおりょう様が!と書かれてもなんのこっちゃわかりますまい。私の大のお気入り、「酔いどれ小藤次シリーズ」の最新刊『偽小藤次』で、ついに小藤次は16、7年の長きにわたり胸に抱いた恋を叶えてしまうのであります。
おめでたいことと思いつつ、「叶えてしまう」などという書き方をしたのは、私にとっては一抹の寂しさがあるからでした。
小藤次の魅力は、恥をかかされた主君の恥辱を雪ぐため四大名家の参勤行列を襲い、大名諸家の旗印ともいえる御鑓のけら首を切りおとして奪いさるといった強さの一方で、好きな女性の前では顔を赤らめ、想いを遂げられるなどとは夢にも思わない純情可憐さ。そして、命を狙いに来た浪人の赤子を育てる優しさ。
駿太郎ちゃんが子離れしていくのをひそかに恐れる五十を過ぎた爺様侍。彼の心の奥底に流れる孤独と寂しさが、おりょう様と結ばれることで失われていくのは悲しいなぁなどと思っているのでありました。

コメントを残す

必須欄は * がついています


CAPTCHA