今夜のお月さまは、ほんとに綺麗で
タクタク歩きながら、こんなお話が浮かびました。
長いので、気に入ったら読んでください。
「おばぁちゃん、お月さまきれいね」と、ゆうちゃん
「お月さまにはね、ウサギさんがいるんだよ」と、おばあちゃん
「それ本当?」ゆうちゃんは、大きな目をクルクルさせて聞きます。
「そうさ、月でウサギは、おもちをついてるのさ」
12月の初めての夜、おばあちゃんとゆうちゃんは
仲良くお月さまを見ています。
「うさぎがおもちをつくなんて、ヘンじゃない?」
「うそだとおもうなら、お月さまをよーく見てごらん」
ゆうちゃんは、まんまるお月さまをじーっと見上げます。
「あっ、おばあちゃん、うさぎいたよ!
おもちもついてるよ」ゆうちゃんはびっくり。
「こんなに寒いのに窓を開けて何を話してるの」
部屋に入ってきたお父さんが言いました。
おばあちゃんは、いたずらっぽく
「ないしょ、ないしょ」
その夜、おふとんに入ってからも、ゆうちゃんは
うさぎとおもちのことを考えていました。
おつきさまうさぎのついた、おもちはどんな味がするのかな・・・
「うさぎ、ぴょんぽん、おもちぺったんこ
うさぎ、ぴょんぽん、おもちぺったんこ」
楽しい声に、ゆうちゃんが目をあけると、
そこには真っ白なウサギが二羽いて、
これまた真っ白なおもちをついているではありませんか。
うさぎはゆうちゃんに気付くと、ていねいにおじぎをして言いました。
「ようこそ、ゆうちゃん、いらっしゃい。
どうぞ、月うさぎのおもちを食べていってくださいな」
「うさぎ、ぴょんぽん、おもちぺったんこ
うさぎ、ぴょんぽん、おもちぺったんこ」
ピョコピョコはねながらおもちをつく
うさぎの姿や歌がおもしろくて
ゆうちゃんはおなかをかかえて大笑い。
「さぁ、ゆうちゃん、おもちがつけましたよ」
うさぎは、ゆうちゃんの小さな手のひらに二つ
すべすべしたおもちをのせてくれました。
口にいれると、あたたかくて、やわらかくて
これまで食べたどんなものよりおいしく感じました。
「おいしい!とってもおいしい!!」
ゆうちゃんが言うと、うさぎはおおよろこび。
「おいしい、おもち おつきさまのおもち
ぴょんぽん ぴょんぽん」
ゆうちゃんも たのしくなって ぴょんぽん、ぴょんぽん。
たくさんのおほしさまが やさしく見ていました。
「もうひとつのおもち おばあちゃんに
もってかえってもいい?
おばあちゃん きっとよろこぶと思うの」
ゆうちゃんが言った時、チュンチュンとすずめの声。
気がつけばゆうちゃんは、朝の陽ざしあふれるおふとんの中。
あれは夢だったのかしらん?
「おばあちゃ、おばあちゃん」ゆうちゃんは、パジャマのまま
おばあちゃんの部屋までおおいそぎ。
おばあちゃんは、ニコニコしながらゆうちゃんの話を聞くと
「いいえ、ゆめなんかじゃありませんとも」
そういって 見せたおばあちゃんの手のひらには
すべすべした白いおもちがひとつ。
「あ、このおもち!うさぎのおもち!」ゆうちゃんはびっくり。
「朝おきたら、おふとんのそばにあったんだよ」
うれしそうにいうと、おばあちゃんはおもちをぱくり
「なんて おいしい おもちだろう。
こんなおいしいものは 今まで食べたことないよ」
「ゆうちゃん、パジャマのままで何してるの?」
ゆうちゃんがいないので、さがしにきたママが聞くと
ゆうちゃんと、おばあちゃんは声を合わせて
「ないしょ、ないしょ」
はるか空の上ではお月さまうさぎが
にっこりと笑って「ないしょ、ないしょ」

