昨夜、夢で私はチンピラでした。
相棒と二人、顔見知りのギャングを皆殺しにして
組織を乗っとろうと画策しているのです。
銃を持ってボスたちの寝ている部屋に押しかけました。
しかし、信頼しきって眠っているいる彼らを見ると決心が鈍り
どうにも引き金を引くことができません。
そのうちに一人目覚めましたが、そのまま何もせず
私は相棒を隣の部屋に連れていきました。
とても自分には人は殺せそうにないと相棒に伝え
計画の中止を相談していると、先程目覚めた男が入ってきました。
男に安心してほしいと伝えようと、手をのばしたとたん、
彼は私の手をつかみ鋭いメスで手首をかき切ったのです。
白い手首にすっと引かれた細く赤い線。そこから噴き出す血。
「な、人を殺すには、これくらい問答無用じゃなきゃ」
まるで他人事のようにつぶやく私。
相棒が泣き叫びながら、医者に電話をかけるのを眺めつつ
意識が遠のいていき、こちらの世界で目が覚めたのでした。
夢で死んで、現(うつつ)の世界で目覚めるのなら
この世界で死ねば、どこか別の世界で目覚めるのだろうか―
いづこかに真の世界、あるやなしや。
露とおち 露と消えにし わが身かな
難波のことも 夢のまた夢
秀吉
