男女共同参画 人形劇「カリンのあたらしいおうち」

明石市コミュニティ推進部/2010年
人形劇シナリオ・キャラクター制作

子どもに伝わる男女共同参画作品として制作

「男女共同参画」や「自分らしさ」を、幼い子どもにもわかりやすく、押しつけにならない形で伝えたい——。

そんなご依頼を受けて制作した、子ども向け人形劇シリーズ第1作です。
シナリオ執筆、キャラクター設計、世界観づくりまで一貫して担当しました。

幼児期におけるジェンダーの刷り込みは、「男の子は青、女の子はピンク」といった大人による“色の決めつけ”から始まることが少なくありません。
そこで本作では、幼児にも、その保護者にも直感的に伝わりやすい「色」をテーマに設定しました。

「好きな色に男女の区別はない」がテーマ

主人公は、周囲に「女の子はピンクがいい」と言われ、本当に好きな色を言えなくなっていたヤドカリの女の子・カリン。

旅の途中で出会うのは、

  • ピンク色とおしゃれが大好きな鯛の男の子・ピンキー
  • 料理上手なタコの男の子・チュータ
  • 自分の考えをしっかり持つカメの女の子・ミドリン

など、個性豊かな仲間たち。

それぞれが好きな色や価値観を語り合い、ときにはぶつかり合いながらも、カリンは少しずつ「自分の気持ち」を言葉にできるようになっていきます。

  • 好きなものに男女の区別はないこと
  • 自分の気持ちを言葉にする大切さ
  • お互いの違いを認め合うこと

を、子どもたちが自然に受け取れる形で描きました。

「お説教」にならない楽しい設計

ご依頼いただいた明石市は明石鯛や、明石焼き(玉子焼き)で有名な地域です。

そこで、キャラクターには鯛やタコなど地元でおなじみの生きものにしました。

鯛のピンキーは、キラキラ光るピンクの体が自慢の男の子。タコのチュータは、明石焼きが得意な料理好きの男の子に設定。親しみやすさと同時に、「男らしさ・女らしさ」の固定観念を押しつけないキャラクター設計を行っています。
お話には、歌やユーモアを取り入れ、“お説教”にならない楽しい作品として構成しました。

「見るだけ」で終わらせない参加型プログラム

本作では、見て「理解する」だけでなく、「自分で行動して体感する」ことも重視しました。

そのため、上演後には「カリンの新しい殻」を自由に描くぬり絵ワークも実施。

1色ではなく、虹色のように塗ったり、星の模様を入れたり、子どもたちの自由な発想が広がっていくのを見ることができました。

  • 「ボクはピンクが好きだけど今まで誰にも言えなかった」
  • 「好きな色は何色でもいいってわかってうれしかった」

といった感想も寄せられました。

絵本化・学校展開へ発展

神戸新聞にも掲載され、明石市男女共同参画センターだけでなく、市内の幼稚園・保育園・小学校でも多数上演。

その後、

へと発展した、“あまちゃ工房”の原点のひとつとなる作品です。

絵本版はこちらからご覧いただけます。
「カリンのあたらしいおうち」絵本版