流れる猫の夢

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こんな夢をみた

どこかの山寺にいる。
石畳の階段をおりていくと
道をへだてた向こう側にも寺が見える。
遠いようでもあり、近いようでもある
向こう側からこちらの方に小さな川が流れている。

色鮮やかな金魚や錦鯉が次々に流れてくるのが
きれいでじっと見ていると、猫や鳥なんかも流れてくる。
薄い膜に包まれた子猫、お椀に入った親子猫。
苦しそうでもなく滑るように流れる様は
愛らしいこと、この上ない。
「やっと、ここまで来たねー」という猫の声に
「ああ猫も話すんだな」と思ったところで目が覚めた。

あれは此岸と彼岸であったかもしれない。

有路地より 無路地に帰る 一休み
雨降らば降れ 風吹かば吹け
           一休宗純

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