棚ぼた的読書

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「今まででものすごく感動した本って何?」とシナリオライター希望のSちゃんに聞いたら、返ってきた答えが山田詠美の『ぼくは勉強ができない』。
「ふ~ん」と興味なさげな返事をしたら、翌日さっそく読むようにと手渡されてしまった。
名作という評判が高いのは知ってたけれど、私はなんとなく触手が動かず、これまで読んだことがなかったのでした。

Sちゃんが恐いので、しぶしぶ本を開きましたが、なるほど面白い。
主人公の秀美くんやお母さんをはじめとする魅力的な登場人物が話をぐいぐい引っぱっていく。出てくる女が、みんなかわいくかっこいいのも素敵。
また、秀美くんの日常や悩みの中に、たくさんの心に染み入る会話や言葉が散りばめられてます。

「悩む程のことじゃない。ぼくは、ある種の困難にぶつかると、いつも自分にこう言い聞かせて、切り抜けてきたのだ。もしかしたら、本当に、ぼくには、あらゆる可能性が宿っているかもしれない。そう思うだけで、風呂の湯は、いっそう肌に、暖かく、やさしい。」

ね、いい感じでしょ。一つの質問から始まった棚ぼた読書でした。
同じくSちゃんの好きな『池袋ウェストゲートパーク』のマコトと、秀美くんはちょっと似ていると思ったのは私だけかな。今度、彼女に会ったらに言ってみよう。

☆その他の読書☆
『電子の星:池袋ウェストゲートパークⅣ』石田衣良
『反自殺クラブ:池袋ウェストゲートパークⅣ』石田衣良
『傷つきやすくなった世界で』石田衣良
『チェザーレ』1 惣領冬実
『鬼平犯科帳22』池波正太郎
『見番:吉原裏同心』佐伯泰英

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